ホスピス、緩和ケア看護覚書*カナダ編

カナダでホスピス看護師をしています。2009年9月からバンクバーの某大学院 でMaster of Science in Nursing を始めました。End of Life CareのCNSになれるようにがんばります。半学生、半看護師の生活です。そして3児の母親でもあり、カナダ人の夫とは11年たっても熱愛中でごじゃいます。ブログに登場する人物名はすべて仮名です。

おめでとう3位入賞

いやいや帰ってきました日本。とっても暑いです。猛暑なのですね。11年前の夏とは比べものにならにほど暑い!

そんな中、甥っ子の全国中学柔道大会が実家の島根県松江市で行われました。全国大会の個人選出場は今年が初めてとか。2年半ぶりに会う彼は大きくなってとても堂々として目標に向かっているキラキラしたものがありました。結果は準決勝で破れ3位。彼の試合を観るのは初めてで私や旦那AJはハラハラしていたけれど、弟は冷静にビデオ撮ったり、もしかして慣れ?でも義妹はやはり母親、試合のあと彼女が試合に出たのかというほど疲労が顔に出ていた。こんな調子で月1-2回は試合に付き合うから心臓や胃が痛くってと言っていました。柔道に力を入れている私立中学なので試合の他にも遠征やら何かと保護者として大変と。親や周りの協力がないとここまでこれないのだ、と思った。弟夫婦は日程中はホテル滞在。試合が終わるととんぼ返りと食事を一緒にする暇もなく、ちょっぴり寂しかったけど、仕事を持つ二人、仕方がありません。ご苦労様です。

しかし、どの階級も中学生とは思えない風格があって驚き。体のサイズも大きいし、AJは高校生の試合かと思った、と思うほど。きっとこ中に将来の日本柔道会を受け継いでいく子がいるのね、と楽しみになった。ルールなどを弟に教えてもらったので観戦の仕方がわかった。次のオリンピックを楽しみにしよう!
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暑いですわ~

暑いです。昨日また記録を更新しました。34度です。

え!日本に比べれば序の口?そうでしょう。夜は10度代まで落ちるのだから熱帯夜の日本に比べればなんてことありません。

しかし、ここ北緯49度ですよ。こんな北国なので耐えられません。汗がじわーっと出てきます。空気が乾燥しているので水分補給をしないと脱水になるもの早い。

そういえば初めてバンクーバーに来た時(7月に入国)、夜何度も足がつっていました(こむら返り?)カナダ人に話したら「脱水だよ。しっかり水分とって、塩をなめてごらん」と言われました。やってみるとぴたっと足の引付けが止まりました。

ここは日本のように湿度が高くないので、暑くても汗がすぐ蒸発するような感覚です。12年目になったからか、汗をかくようになりましたが、初めての年は汗をかきませんでした。汗をかかないー>水分補給をしないー>脱水の図式でした。

変わったと言えば色黒になったこと。もともと色黒だったけれど、もっと黒くなったのだ。来たばかりの時は日焼けを避けるため、日焼け止めを塗って、しっかり化粧もして夏でも長袖を着ていたけれど、今はそんなことちっとも気にしない。日焼け止めなしで散歩をすることもしばしば。だってここの夏って短いのだもの、太陽がギラギラしているのがうれしくって。でも緯度が高いから紫外線メチャメチャ強いのよね~としみだらけの顔を覗き込みちょっと反省。

もうすぐ日本。11年ぶりの夏でとっても楽しみ。子供のように指折り数えてきました~旦那と子供たちにとっては初めての日本の夏。夏ばてしないようにサバイバルしてね~と思っています。

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性的虐待

家庭内暴力について書いたついでに、性的虐待についてもちょこっと。

ホスピスに就職する前にSANEになろうかな、と思った時期があった。病棟に貼られていたポスターをみてちょっと引かれた。SANEとはSexualAssultNurse Examinerの略である。性的虐待を受けた人を看護するスペシャリティーだ。特別なトレーニングを受け認定されると、ERに所属して患者が来るとポケベルで呼ばれる。

患者はトラウマ的経験をしているので、それに対する看護。そして証拠の収集に当たるわけだ。体はもちろんのこと、髪の毛や衣服に付着したものすべてが法的証拠品となるので、決まりに沿って収集しなければならない。身体的所見の観察と記録を患者の心のケアをしながら進める。一人の被害者にたいして12時間ぐらいかけて収集することもあるとか。

被害者は若い女性ばかりではない。高齢者だったり、男性であったり。私の職場は13歳以上の被害者の診察と看護にあたるのがSANEだ。ERを訪れる被害者は現場から警察官に付き添われて来たり、異常に気づいた両親に付き添われたり、一人でこっそり来る人もいる。法的証拠の収集をしてもすべてが起訴になるわけではない。起訴を取り下げる被害者は多い。起訴をするかしないのか、そういう相談を受けるのもSANEの仕事。

被害者が性病など感染病に被害によってかかっていないか、妊娠をしていないか検査やフォローアップするのもSANEの仕事。起訴となり証言者として法廷に呼ばれることもある。

こういう仕事柄、SANEには強いコミュニケーションスキルと生体を細かく観察できる観察力、正確に記録を残せるスキルなどが要求される。新規採用のオリエンテーションでトレーナーは言っていた。ハウスパーティーとかで仕事を聞かれて正直に答えると、思いがけない人たちが過去のつらい経験を話すのよ。それだけ被害を受けても泣き寝入りしている人が多い、ということよね。こういう制度があると知らない人も多いのよ、と。なんだか素敵なしごとだな~とますます引かれた。しかしちょうどそのころ絵里佳を妊娠していることを知り、トレーニングが終わるころはお腹の大きいSANEとなることを知った。そして同時にホスピス開設のニュースを聞き最終的には申し込まなかった。

SANEはどこの病院にもいるというわけではない。私の働いている地域は10ある病院の中で2つしかない。ないところにこの理由で訪れるとSANEのいるところに搬送される。起訴をするしないにかかわらず、自身の体と心の健康のためにも被害にあったらSANEをおとずれることをすすめたい。

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家庭内暴力

最近身近なところで離婚が続いた。そのうち二件が家庭内暴力に関連して。そんなおかげでカナダで家庭内暴力がどのように扱われるのか知ったので、ここでちょっと。

家庭内暴力の通報で警察はすぐ飛んで来てくれる。よくあるのがことが大沙汰になったと通報したことを後悔する被害者が多い。すみません間違いでした、とつき返すわけにはいかない。そして被害者が「大丈夫です。私が間違えて通報しました」と言っても警察官自身が状況判断をして接触禁止令を出すことができる。7週間とか家に近づくことも許されない。だから例えば父親が子供や母親に暴力をふるい、接触禁止令を出されたら、父親が家から出なければならない。父親は親戚の家とか友人宅やホテル暮らしの7週間が待っているわけだ。これに反すると次の罰則が待っている。もちろん次の罰則も恐れず暴力がエスカレートすることもある。そういうケースのために子供連れで入れるシェルターも各市に備えてある。シェルターのセキュリティーは高く、簡単に訪れたりすることはできない。シェルターにはカウンセラーも常駐していて、心のケアやどんな保護が受けられるのか、離婚をした時にどんな権利が生まれるのかなどを丁寧に教えてくれる。

家庭内暴力の現場で通報せず、事後報告でも警察は動いてくれる。被害家庭の全員一人ずつと面接をして事情聴取後、逮捕とか接触禁止令の発令となる。面接官はトレーニングを受けた警察官だ。子供の発達段階なども踏まえてそのレベルにあった面接をしてくれる。

弱者が守られているのね、と安心する。

最近日本で続いた子供の虐待。カナダではこれもとても厳しく扱われている。子供の泣き叫ぶ声が続くのを聞きつければ警察を呼ぶのは市民の義務のようなものだ。暴力だけでなくニグレクトもだ。例えば学校の先生が異常に気づき通報すると、チャイルドサービスからカウンセラーが家の状況を見に来たり親と面接をしたりする。観察のポイントは安全な環境。衛生面、食物など生きていくために必要なものがあるのかなどだ。少しでも疑わしとチャイルドサービスによって子供は取り上げとなる。同僚でスエーデン出身の看護師がいた。彼女の母国ではサウナは赤ちゃんから大人まで楽しむものだが、カナダの公共の場では13歳以下の子供のサウナ使用を禁止しているところが多い。彼女の子供がサウナ中に痙攣を起こしてERへ連れて行った。痙攣は重篤なものではなくすぐ落ち着いたのだが、彼女を待っていたのは虐待の疑惑。子供をサウナに入れていたからだ。長く続く面接。私の文化ではこれは虐待ではない、と何度説明しても聞いてもらえなかった、と子供を危うく取り上げられるところだったとか。逮捕されることもなく子供と一緒に帰宅できたのだが、ひやひやする話だ。カナダは移民者でできた国。いろいろな文化が入り混じっている。日本では「しつけ」の延長線上、手や頭をパシっとたたいたり、声を上げたりすることを異常と思う人はいないと思うけれど、それをここですると「普通」とはとられないのでご注意を。

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セミナー開催のお知らせ

今度の日本行き。ゆっくりしようと思っていたけれど、やはりじっとはしていられない私。

NPO法人楽患ねっととなごみの和の共催で、横浜で半日セミナーを開くことになりました。参加費用は無料。看護師に限らず、ホスピス緩和ケアに携わる職種ならどなたでもOKです。

 

日時:8月26日 木曜日 13:30から16:30

場所:横浜市不老町地域ケアプラザ 3階 多目的ホール

(横浜市中区不老町3-15-2 電話045-662-0161
 ※JR関内駅より徒歩8分、市営地下鉄伊勢佐木長者町駅より徒歩

定員:30名

内容:

1)ケーススタディ

グループて事例検討に取り組みます。決められた時間内に効果的に意見交換を行い全人的な治療計画や指針をはじき出す。年齢や職歴、職種にかかわらず患者の立場に立って何が必要なのかを考え、チームの中で積極的に話し合えることを目的にしています。

2)リフレクティブエクササイズ

ホスピス緩和ケアでは自分をみつめるケアでもあると思っています。忙しい業務の中で流されがちな医療職。振り返りもしくは自分をセンターに戻すことは 大切です。これを目標にしています。



参加希望者は職種、ホスピス緩和ケアの経験歴を記入の上、楽患ナースへメールを送ってください。

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