突然 3日間もインターネットが使えなかった。サーバーがダウンして、普及にそれだけ日数がかかったのだ。毎日イライラしながら接続を確かめ、電話もしてみる。毎回メッセージは同じでサービスの悪さに愕然とする。メールもチェックでできない、自分のサイトの更新もできない、ブログも書けない、サーチもできない。お気に入りのマウイのラジオも聞けない。夕飯のレシピもサーチできない。電話番号も探せない。仕事のメールにアクセス出来ない。銀行関係が一切できない。ナイナイづくしだ。子供は宿題のリサーチができないと文句を言う。仕方がないので図書館でネットを使うか、昔ながら図書館にある本で探しなさいと伝える。電話番号も分厚い電話帳から探す。なんて不便な生活なのだろうか。インターネットが始まったのはそんなに昔のことではないのに、すっかり依存した生活を送っている。そんな自分に気づいた3日間だった。

4日前は旦那のいとこの結婚式へ行ってきた。フィリピン人の奥さんで式はフィリピンスタイル。ちょっと変わっていて面白かった。式の後の食事会は盛大で絵里佳は豚の丸焼きに目が釘付け(というより豚が銜えているりんごが好きなのか)。テーブルの前で豚とにらめっこ。それから、ダンス!ダンス!ダンス!フィリピンの子供達による伝統的なダンスからヒップホップ系まで、踊りは絶えなかった。ダンス好きの絵里佳はもう踊りたくてうずうず。最初はおねえちゃんのひざの上に立ってテーブルから見ていたけど、我慢できず私の手を引っぱって前まで出て行った。何度か子供達のダンスにとび込もうとしたけれど、一旦前に出ると恥ずかしくなって私の元へ帰ってきた。それでも肩を動かしたり座りながらでも腰を振ったり、とても真剣なまなざしでステージを見ていた。絶対ダンス教室へ通わせようと思った(あつこさん~期待していますよ~)。式が始まったのは3時。何があっても8時には帰ろうと話していたのに、9時の時点でまだケーキカットもすんでいない。一体何時までパーティーが続くのだろうと思い、嫌がる絵里佳を無理やり車に詰め込み帰途についた(彼女は“絵里佳ダンスー”とずっと叫んでいた)。

小さい子供から大人まで本当に楽しそうにダンスをしているフィリピン人をみてセブ島へ行った時のことを思い出した。セブ島北部にあるリゾートに滞在。マニラ空港でもセブ島でもどこも人にあふれ、自転車のようなタクシーに鈴なりに人がぶら下がり、とても不思議な光景だった。リゾートで、スタッフはニコニコととても感じが良い。ディナーの後でダンスパーティーとなり、スタッフ全員が踊りだした。私も友達もつられて踊りだす。あんなに笑いながら楽しんで踊ったのは後にも先にもあの時だけ、忘れられない。スタッフの宿舎はリゾートの一角にあり、毎晩楽しそうな歌声が聞こえた。あの旅行で感じたことは、テレビゲームや車や最新の洋服がなくても幸せそうな彼らたち。物欲にあふれる日本社会を恥ずかしく思った。

カナダへきてからも、フィリピン人がするパーティーはいつもダンスそしてカラオケは尽きない。それからおいしい料理もたくさん。仕事中も笑いが絶えない。しかし、カナダのフィリピン人はセブ島で出会ったフィリピン人と違う点がある、物欲だ。大きな家、車、ファッションと羽振りが良い。たくさんのフィリピン人ナースがOver Timeをしている。家や車のローンを払うためにはそうしなければと言う。その上ほとんどのスタッフが本国へ仕送りをしている。姪っ子や甥っ子の教育費だ。自分達もそのお陰でRNとなりカナダへ来ることができたのだから同じことをすると言う。私の元同僚は二つの仕事場を掛け持ちしていた。24時間続けて働く。年収は1000万円を超えていた。しかし、それだけ働くので子供達にはめったに会えないと言う。そこまでしてお金を稼がなければならないのかと聞いたら、シングルマザーで生きていくにはこれくらいの収入が必要、子供達もわかっているはずと言う。私には理解ができなかった。本国を訪れる時はたくさんの服や食品を買い込んで行く。村や町の人みんなにお土産を持って帰るのが慣習とか。ほとんどのフィリピン人がフィリピンは貧しい国だと言う、豊かな国へ来ることができて、お金が稼げるからよかったと。

お金が稼げるから幸せになれるのだろうか?お金は人間を変える?そう思いたくなる。ものがあふれた社会、そんな中でおぼれていく自分を想像する。シンプルな生活に戻るのは無理なのだろうかと考えたくなる。しかし、その前にまずインターネットへの依存度を減らすことから始めようか?!