スーがあわてて私を呼ぶ。早く来て来て!と。私の患者死んじゃったみたい。本当に死んだかどうか確かめてほしいの、と。ベテランのスーがあわてふためいている。どの患者が亡くなったのか聞いていみると、思いがけないジェイだった。突然だったね。クライシスでもあったの?と病室に向かいながらスーに尋ねると。すっごい突然だったの。私だって患者が死んだからってあわてふためかないこと知っているでしょ。でもね今回のはすごいの。信じられない。だって私ジェイに内服薬をあげて病室を出ようとして振り向いたら最後の一呼吸をして死んだの、と。じゃあ誤嚥したってこと?と私も不思議に思った。してないの。すんなり薬も飲んでむせてもなかったし、、、と言う。病室に入るとジェイさんは安らかに横たわっていた。死亡確認をするとスーはやっぱりそうよね。死んでるよね、と何度も言う。ジェイさんの顔つきはとてもとても安らかだったので、そのことをスーに伝えた。とにかく家族に知らせることから始めよう、と話した。家族は一瞬おどろいたようだったが、苦しまずに死んだことを聞いて喜んでいた。

 

この後でもスーは落ち着きのない様子。私は気になってスーにもう一度聞いてみた。そうするとスーが“ジェイね何か言っていたの。でも英語じゃなかったし、、わからないから私無視して病室から出ようとしていたの。でも気になったから振り返ったら最後の一息をしていたのよ。こんなに何のサインもなく突然死ぬ人なんてみた事なかったの。今でも信じられない。だっていつもどうり薬を飲んだ直後にだよ、、、何を言いたかったのだろう。どうしてわかろうとしなかったんだろう。すごく後悔しているの私、と。あーだからだ。だからいつも以上にあわてふためいて、落ち着きのないスー。最後の一言だと思わず聞き流そうとしたらそれが最後の一言だった。ジェイと同じく移民者のスーは私も死ぬ間際は母国語に戻るのかな、、、ジェイはちゃんと英語話せていたのにここ数日母国語にすっかり戻っていたし、、、とスーの後悔は痛いほど伝わってくる。母国語に戻ってしまう患者は今までに何人も見てきた。”スー大変だったね。きっとねスーが理解しようとしてもジェイが何を言っているのか理解するのは難しかったかも。一度母国語に戻ったら英語に戻れない人が多いから。それにスーは気になって振り向いたから、すぐ死に気がついたんだから。スーはちゃんと仕事をしたんだよ“と話した。

 

過ぎてしまわないとそれが最後だったと気づかない。だから一言一言、一動作一動作、見逃さないように、しっかり受け止めていきたいと改めて思った。

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