最近日本の高額な化学療法とホスピス入院の話を2度も聞いたので、カナダの医療費の話。

カナダの医療費は無料だ。ちなみに教育も高校まで無料。その分とても高い税金を払っているわけで、収入によって課税率は変わるがBC州で私ぐらいの年収で収入税は40%近い。BC州の消費税は12%。もうひとつ税金が来月から加わるので7%プラスとなる。この増税に反対する市民団体は多いものの来月からの加税はこのまま続行と、、、。

というのもカナダも他の国と肩を並べての財政難。オリンピックやG8のセキュリティーに何億とお金を投資できるのに医療費と教育費はなしなし。おかげで病棟閉鎖、首切り、雇用フリーズ(空きポストがあっても空席のままにする)、教育も学校閉鎖、首切り、プログラムカットなどなど、ここ数年とても厳しい情勢にある。

医療も教育も届くべきところに届かなくなるといわれながらも今のところフリー。

がん治療もフリーだ。収入によって受けられる化学療法の選択が変わるということはまずない。しかしアメリカはすぐお隣。カナダでは認可されていない治療を求めて南へ下る人は少なくない。いわゆるお金持ちならばもっと治療の選択が増えるというわけだ(どれだけのアウトカムの差があるのかは知らないが)。医療費は無料だが自宅で服用する薬剤は個人負担だ。雇用を通して(もしくは個人的に)保険に加入していればおよそ80%は還元される。収入と比較して高額薬剤費となれば補助制度もある。もちろん高額医療にたいする減税制度もある。BC州にはホスピスパリアティブベネフィットプログラムがあって、予後が6ヶ月以下となるとこのプログラムに入れて、薬剤、医療機器のレンタル、在宅酸素などが100%カバーしてもらえる。在宅死を望む人には力強いプログラムだ。

病院は無料だが長期療養型施設は無料ではない。政府の施設であれば現在の値段は一日およそ3000円の個人負担がかかる。3000円 x 30日で月9万円。部屋、食事すべてをみてもらえて、この値段なら一人暮らしの生活より安くなる。支払いに困難がある場合、収入や財産を査定して25%から100%の補助が出る。ホスピスは長期療養型施設と分類されるので、同じ料金制度になっている。しかし、ホスピスは他の施設に比べて豪華になっている。地元のホスピスボランティア団体による献金からだ。個室、電話(長距離もOK)、テレビやオーディオ機器。最近はコンピューターアクセス。家族用ベッドの備え付けなど。病院や他の長期療養型施設の4人部屋に比べたら天と地の差だ。活動域が低下しても、トイレやお風呂にいけるように、シーリング(天井)リフトは全部屋に設置。リフトバスや電動のストレッチャーなどなど。病室以外の施設も充実している。病院や施設的な環境でなくできるだけ”家”のような環境で安らかに最後の時が過ごせるように、、、これが私たちの目標だ。

日本は医療制度も医療費制度も異なるので、ホスピスの運営も難しいだろう。しかし誰でも平等にアクセスできることはホスピス緩和のフィロソフィーのひとつだ。ベッドを増やすだけでは解決策にはならない。行政的に取り組んでもらいたいものだ。

にほんブログ村 病気ブログ 看護・ナースへ
にほんブログ村
大変失礼しました。新しい税金のとんでもない勘違いをしていました。

新しい税金は増税でなく、名前が変わり今まで以上のものに課税ができるようになった、と言うことです。だからもちろん政府はもっと多くの税金が集められるということだから、増税といえば増税だけど。例えば外食にかからなかった、PSTこれが新しい税金、HSTはかかる。家の売買、お葬式代などがプラスになった対象だ。

と、訂正おば、、、、