カナダのホスピスはがん以外の病気も受け付けるので、いろんな患者さんがやってくる。ALSもそのうちのひとつ。ALSは日本語で筋萎縮性側索硬化症という。筋肉の萎縮と筋力低下が進行性で起こる難病のひとつだ。

ALS症状のコントロールのメインのひとつに唾液のコントロールがある。ALS患者は多量の唾液が出てくるのが特徴的だ。それに対して放射線療法をしたり外科的手術をすることもあるが、大体が薬物療法を行う。そして看護師として大切なことは唾液の性状の観察。唾液がサラサラで量が多いのか、ネバネバしているかそれを見極めなければならない。なぜかというと唾液のタイプによって薬物療法が変わるからだ。

その日私はALS患者リオの受け持ちではなかった。リオの受け持ちのジーナがポータブルの吸入器を探していた。リオに必要だから、と。リオが息ができないって唾液がカラカラというかネバネバで閉塞感が強いの、と。だから吸入器で加湿させて唾液がサラサラになるように、と医師が言っているから、と。フムフムと聞いていたが疑問がわいてきた。リオってサラサラの唾液でそれを押さえるために抗コリン剤を使用していなかった?とカルテをめくる。

私が受け持ったころは一種類しか使用していなかった抗コリン剤が、今は2剤目も追加されている。頓服で使っていた2剤目も今は4時間毎の定期投与になっている。新米緩和医師のメイ、、、、。薬でカラカラにして乾燥させすぎたから加湿してって、これじゃあ本末転倒な治療。ジーナはメイと話すことをおっくうがる。リオのため、看護師としてちゃんと話すわよ~とメイに自分の意見を伝えた。

今まで集めた文献などを見せながら話すとメイもすんなり、私の意見に賛成する。そのころにはジーナも話し合いに加わり、2剤目も頓服にして必要のあるとき吸入器で加湿して、、と計画を変更。リオもそれで落ち着いた。唾液の観察大切です。

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