も主な訪問の仕事です。と言っても薬の投与は患者や家族の役割で、ドレッシングチェンジやトラブルシューティング、そして患者教育が私たちの主な仕事。蜂か織炎とかじょくそうの抗生剤の治療はとても長期にわたるもの。そのためだけで病院に入院させるより、自己管理を在宅でさせる、という方針で。PICCとかMidlineで退院となる。薬剤は薬剤会社が点滴に必要な物品(点滴架台やチュービング、フラッシュに使う生食入り注射器などなど)と共に宅配へ送ってくれる。自分で自分の点滴療法の管理をする、、、て簡単じゃないものだ。

先日訪ねたのは78歳のおじいちゃん。糖尿病から静脈炎を頻回に起こすようになり、結局片足を切断。がんばってリハビリをして義足で車まで運転できるようになったのに、健足が今度は蜂か織炎へ。在宅点滴療法の対象となった方。退院以来、毎日のように訪れて患者教育をしてきた。7日目だった。3日ごとにすべてのチューブを交換しなければならない。その教育だったが、なんとも痛々しいものだった。チェックリストを読みながら、ひとつひとつ行っていくけれど、緊張や不安がひしひしと伝わってくる。焦ってラインをひっぱてみたり、PPD(キャップ)を取ろうとしたり(そんなことしたら血がドバーっと出てきます)。それは絶対とらないですよね、と看護師に言われると、”そうだ!もちろんそうだよ!”と恥ずかしさを隠しながらも平然な顔を見せていることがうかがえる。妻は盲目で手伝うことができないから、自分がしっかりしなくては、とやる気は満々なのだけれど、大丈夫なのだろうか、、、と私まで不安になる。

抗生剤の投与は一日一回、30分ぐらいで終了する。しかし薬を混ぜたり、清潔を保ちながらフラッシュを前後にして、と学ぶことは多い。せめてフラッシュだけでも自分でできるようにしなければならない。彼は前回3ヶ月間外来に点滴のために通った。車が運転できない今(健足に体重をかけてはいけない)、毎日の外来通いより、在宅で、、、との思いだ。

患者の自己管理ができればできるほど、看護師の役割は小さくなる。このケースを見学しながら、リスクとの関係をどう判断するのだろう、と思った。どうしても習得できなければ、訪問が毎日投薬のために訪れなければならない。そういうケースも多いそうだ(高齢化で仕方がないでしょう)。それでも入院するより費用は安くつくとか。医療費削減、こういうところにも現れているのね。

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