ホスピス、緩和ケア看護覚書*カナダ編

カナダでホスピス看護師をしています。2009年9月からバンクバーの某大学院 でMaster of Science in Nursing を始めました。End of Life CareのCNSになれるようにがんばります。半学生、半看護師の生活です。そして3児の母親でもあり、カナダ人の夫とは11年たっても熱愛中でごじゃいます。ブログに登場する人物名はすべて仮名です。

仕事

カナダへ来て看護師になろうと決心して、TOEFLがパスしないとなれなくて、何度も挑戦して何度も落ちてつらい時期があった。周りから英語できるのに、どうして点が伸びないのかな?緊張しすぎなんじゃない?と言われていた。落ちれば落ちるほど緊張してしゃべれない、、、。これを突破しなければ先には絶対に進めない。横道もないまっすぐな道の大きな壁を前にして泣いていた。

今、同じ気分。

実は昨年5つ面接に落ちている。こちらの面接は面接官が24人いて回答を点数付けていく。点数を高く取った人が選ばれるのだ。だからどれだけ面接で質問されそうなことの下調べをして、面接中に自分を発揮できるかが大切なのだ。以前MIXIで外国で働いている人のコミュでこんな話があがった。日本人は90%から100%技術を習得するとその仕事を”できる”というけれど、北米人は50%程度できれば”できる”と言う、という話があった。それをまさに痛感する。面接は張ったりでも何でもべらべら喋り捲った(要点はついていなければならないが)方の印象がよくなるー>点があがる。ようは仕事ができなくてもできると言い切れる人や、うわべでもしゃべれる方が勝つのだ。

自分より仕事ができる人が仕事をとったのなら、私も満足するけれど、何ヶ月たっても50%の仕事もできていない人が選ばれたかと思うと、腹が立つ。狭い世界で働いているので見たくなくてもそういう後結果を知ってしまう。とても心によくない。

私を知っている人は”仕事ができるのに、仕事取れないね”と言う。英語が第二言語だから人一倍がんばりを見せないと対等になれないというのは十分に承知だ。つらいニュース(とってもらえなかった)を聞くたびに、自信をなくしていく。それでもマネージャーたちはあきらめずにどんどんアプライして面接慣れしなさい、と言う。でもTOEFLと同じように逆方向に行っている。2つの面接で面接官になった人が、前回よりずっと自信のないのが現れていたわよ、とまで言われた。今月末に面接がある。仕事関係ではなく大学院関係だが不安で不安でたまらない。

そんな時に大学のペーパーの結果が返ってきた。史上最悪の点。自分の英語能力の限界を感じる。”落ちなければいいのだから気にしない!”と言う人もいる。しかし学ばなければ大学院へいる意味はない、と思ってしまう。夢ばかり見ていて現実を忘れてしまっているのか、私は柳に飛びつこうとしている惨めなかえるなのか、、、。ひどい落ち込みだ。

旦那はそんなに何でもかんでも簡単にできてしまったら、楽しみもないよ。試練を乗り越えるから喜びも大きいんじゃないの?と言う。チャレンジ好きの自分の性格は承知している。しかしここまでのチャレンジは望んでいない。大学院なんてあきらめて、今の仕事で満足して(楽だし、楽しいけれど、チャレンジのある仕事がしたい)いれば、ストレスもなく子供たちともたくさん時間が過ごせて気楽なんだろうな~、と辞めてしまえ!なんて気持ちがわいてくる。行くところまで行って開き直るのも手かな~。心が強くないとこの国では生きていけない、そういうことかも。もっと若かったら、英語がもっとできたら、欲張りな気持ちは止みません。

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缶詰

いつもながら、締め切りの前はいつもこれだ。オンラインだからと、仕事をフルタイム並みに入れたのが大きな間違い。特にこの2週間超忙しく、仕事でどっぶりと疲れ2時間集中できれば良いと思う程度しか勉強がはかどらない。その上先週末はカンファレンスで6日働いて一日休みなんて日本で働いていたときのようなハードスケジュール。疲れが蓄積して泣きそうでした。それでも週始めの一部目の締め切りに間に合い、ほっとする間もなく2部目をがんばっています(月曜日の夕方が締め切り)。集中力が途切れたので、気分転換に久しぶりにブログをと、書いています。

この2週間どんな仕事をしていたかと言うと、もちろん訪問看護をしていたが、その上コンサルテーションの休暇をカバーしてほしいと、頼まれ二つ返事で引き受けてしまったのが誤りだった。フルタイムの仕事。でも訪問のシフトが入っているので週に2-3日しかできないけれど良いかとマネージャーに聞いたら、それだけでも来てくれたら助かると言われた。しかし私が週に2-3日来るからと言って誰かが穴を埋めてくれるわけではない。だから5日分の仕事を2-3日で終えなければならないのだ。超過勤務は許されないので、時間きっちりに帰る私が毎日超勤。だってこなさないと患者さんがホスピスに行けなかったり、症状緩和ができなくてつらいなんてのをほっとけないからだ。そしていつもは緩和医師と仕事をほぼ二分するのに、緩和医師が急な理由で3週間休みを取ることになり私一人ですべてすることに、、、、。新患の紹介は一日2件以上はしない私が3件たまには4件も回って、こりゃ時間どおりに終わらないわけだ。その上今週はコンプレックスなケースが多くて、頭が爆発するかと思った。金曜日は新患が一人もなくフォローする患者もその日はなくて、今まで超勤した分を取り戻そうと、それはそれはゆっくりとした日をすごし足早に帰宅しました。夜はお友達の誕生日会で洒落たバーでひたすら食べて飲んで笑ってと楽しい夜をすごしました。今朝は寝ても寝たりないというほど、起きれなくてヨガをして目が覚めて現実帰り。朝からずっと机に向かっています。明日も一日缶詰でしょう。あー肩が痛い。

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あけましておめでとうございます

今年もよろしくおねがいします。ブログもあまり更新しない間に、あっという間に冬休みは終わり、明日からまた大学院がはじまりまる。そして新しい職場も。臨時でしていたコンサルテーションの仕事が終わりこの一月からは念願だった訪問看護が始まります。一ヶ月間はオリエンテーションでその後から自分のローテーションが始まります。といっても3月上旬までの臨時のポジション。病休をカバーしているようで延長の可能性があるとか。しかしフルタイムではなくFTE0.5とこれまたパート。

入りにくい訪問に入れたので文句は言いません。きっとこれを機にここでもカジュアルで働けるかな?とのんびり構えている私。

しかしこの仕事は臨時なのでカジュアル扱いになるので、私にとってなんと8個目のポジションだ。EndofLifeCareにこだわっている私は他の部門で働こうとしない(普通のカジュアルたちはひとつの病院でいろんな科をまわる)。だから3つの病院(といってもホスピス科)とTPCUそしてコンサルテーションのCRNと7つを掛け持ちする私。よくそんなことするね~と言われる。病院によりIDナンバーも変われば、駐車場のルールも変わり、昨年はうっかりして2つも駐車違反を切られてしまった。普通はカジュアルでもセニョリティーを稼いでいくわけだが、3つも(この一月からは4つ目が加わり)IDを持っている私はセニョリティーも3つに分かれているわけでとても不利なのだ。雇い主はひとつなのにめんどくさいものだ。

大学とのことがあるし仕方ない。最近はカジュアルも仕事がないと聞く。そんな中で昨年一年間収入が減ることもなく、過ごせたのは7つも仕事を持っているおかげかもしれない。うっかりダブルブッキング(2箇所とシフトを組んでしまうこと)をしてしまったりカレンダーとにらめっこが続いたり、ストレスが高まったりするけれど、仕方ないと思うことが賢明だろう。

一度はやってみたかった訪問。ふふふ楽しみだ。

ちなみに、今年のお正月は御節を作るどころか(海外にいても、子供がいても作る時は作る私)、お雑煮も祝い肴も用意することもなく、なんとなく新年を迎えてしまいました。と言うのも体調を崩し喘息発作まで起こしてしまい、まったくさんざんな年末年始でした。それでも昨日ダウンタウンへ行ったついでにわざわざ某日本食スーパーへ寄ったのに閉店。悲しいものです。先ほどめちゃめちゃだった机の上を整理して気持ちがすっきりして新年を迎えたと言う気分になりました。ようやく厄があけて、今年こそ良い年になりますように!と心の中で日本の神社に向かって手を合わせてしまいました。再び、、、今年もどうぞよろしくお願いします。

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ようやく冬休み

がやってきました。無事タームを終え、論文も提出してほっと一息(結局提出期限ギリギリで金曜日のクリスマス会には不参加、、、悲しい)。眠れぬ日々が続いて週末はまるで眠り姫のように(とそんなに美しい姿ではないけれど)何時間も眠っていました。ほっとしている間もなく1月からのタームの情報がドカーンとメールで送られて、、、せっかくのクリスマスムードがぶち切れじゃん、、、と思いながらも、やはり休みはうれしい。

で、実は悩みの種が、、、コースを変えようかと、、、。今のコースはマスターのコースで、併設でナースプラクティショナーのコースもあって、申し込みの期限が1月の下旬なのだ。ナースプラクティショナーって何?と思われる方、ぜひこの方のサイトを覗いてください。他の方へのリンクもここからいけます。最近は日本でも開始された仕事。アメリカは60年もの歴史があるけれど、カナダはまだひよっこなのだ。オンタリオ州は10年。BC州はたった5年。アメリカのように専門のナースプラクティショナーはまだなく急性期のナースプラクティショナーがオンタリオで始まったのも数年前のこと。州によって取り決めもかなりばらつきがあったり。しかし医者不足のおかげで将来がとっても明るい仕事なのだ。

で、どうして方向を変えようかと思っているかというと、、、

もともとCNSになりたくてはじめたマスター。でもCNSの人たちって臨床というより、運営やポリシー、リサーチに関わっている仕事がメインで教育はちょっとだけ。なんてたって最近の医療費削減で仕事量が増えて、とてもつらそう。みんなやつれてって印象の方が強い。その反面ナースプラクティショナーをしている人たちも大変だけど、生き生きしている!100%臨床ってところがいいな~とつくづく思うようになった。

もともとナースプラクティショナーに興味があったけれど、緩和から離れたくなかった。でもアメリカのケースをみてもわかるように、需要と供給で必ずナースプラクティショナーが緩和に必要にされる日々がやってくる、と確信するようになってきたから。歴史が浅くて医師との兼ね合いが難しく、就職も難しかったけれど、それも好転してきている。

英語が第一外国語で日本人ということを自分の欠点のように思っていた。もっと英語が上達したら、カナディアンみたいになれたら、なんて思ったことも。しかしこれを裏手にとっても自分を生かせば良い、と思うようになった。日本人のコミュニティーや移民の人たち、特にアジア系の文化を理解できる者として、そういう看護視点からナースプラクティショナーとして患者と関わっていけたら、と思うようになった。日本の医療とカナダの医療を比べて、カナダの医療を信用できなかったり、誤解する人もいるだろう。両方を知っているものとしてできることはたくさんあると思う。

でも踏み切れないものがある。

今は半学生なんて身分で仕事もしている。なんてったって家のローンもあれば家族を養うという責任もあり、無収入にはなれないからだ。しかしナースプラクティショナーのコースはフルタイムしか許されないのだ。2年間収入なしなんて、奨学金を集めたって、、授業料は出ても家のローンはどうするのだ、、、と経済的な悩み。学生ローンって手もあるけど、住宅ローンは支払ってくれない。

そして家族のこと。片道2時間かけて毎日学校なんてやれるわけない。大学構内に部屋を借りて単身赴任でもしなければやっていけないと思う。しかし絵里佳はまだ5歳だ。母親業を投げ出すわけにはいかない。旦那と話して大学の近くへ引越しをすることも考えた。しかしBrodyの高校を変えるわけにはいかない。最近はAJが我が家へ帰ってくることも言っている。AJもまだ高校生だ。二人をおいて引越しするわけにもいかない。

先日、去年クラスが一緒だった子に偶然会った。卒論を書くだけで他はすべて終わったとうれしげに話す彼女。いまだに親と一緒に住んで好きなだけ勉強して夕食のことも心配しなくて良い生活、、、自由な身って良いな~と妬みたくなった。私にとって家族はとても大切。家族を捨ててまで仕事や学業にかけるつもりはない。AJとBrodyの高校が終わってからなら、、なんて考えることも。でもそんな理由で休学することはできない。もう初めてしまったマスター突き進むか辞めるしかないのだ。もっと自由な身になってからナースプラクティショナーを改めて申し込むことだってできる。でも自分の年齢だって考えなくてはならない、、、。今でさえ頭カチコチなのに。

あーあ、どうしようかな~

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継続

あともう少しでピンチヒッターの仕事が終わる、と思いきや隣町の病院で同じ仕事をしてほしいと頼まれてしまった。病休の穴を埋めるためだ。で期間は12月の上旬まで。病休の彼女には悪いが、やったーとうれしいのだ。だってこの楽しみを3週間で終わらせるのはもったいないからだ。

ということでこれまたしばらく月曜日から金曜日の仕事が続くこともうれしい。毎日家族と一緒に朝食を食べ夕食もともにするということは、とても大きい。12時間勤務では通勤も入れて14時間くらい家を離れるので子供と接する時間が少なかった。もちろん12時間勤務は休みも多いという利点もある。けれど疲れていたり家事に追われることが多く、トータル的にみても子供との時間が少ないように思える。それにしっかり週末、祝日が休みということもうれしい。不規則なスケジュールだと計画も立てにくいし、社会的にも孤立してしまう。だからこの普通の時間帯の仕事をこの上なく楽しむのだ。ふふ。

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性的虐待

家庭内暴力について書いたついでに、性的虐待についてもちょこっと。

ホスピスに就職する前にSANEになろうかな、と思った時期があった。病棟に貼られていたポスターをみてちょっと引かれた。SANEとはSexualAssultNurse Examinerの略である。性的虐待を受けた人を看護するスペシャリティーだ。特別なトレーニングを受け認定されると、ERに所属して患者が来るとポケベルで呼ばれる。

患者はトラウマ的経験をしているので、それに対する看護。そして証拠の収集に当たるわけだ。体はもちろんのこと、髪の毛や衣服に付着したものすべてが法的証拠品となるので、決まりに沿って収集しなければならない。身体的所見の観察と記録を患者の心のケアをしながら進める。一人の被害者にたいして12時間ぐらいかけて収集することもあるとか。

被害者は若い女性ばかりではない。高齢者だったり、男性であったり。私の職場は13歳以上の被害者の診察と看護にあたるのがSANEだ。ERを訪れる被害者は現場から警察官に付き添われて来たり、異常に気づいた両親に付き添われたり、一人でこっそり来る人もいる。法的証拠の収集をしてもすべてが起訴になるわけではない。起訴を取り下げる被害者は多い。起訴をするかしないのか、そういう相談を受けるのもSANEの仕事。

被害者が性病など感染病に被害によってかかっていないか、妊娠をしていないか検査やフォローアップするのもSANEの仕事。起訴となり証言者として法廷に呼ばれることもある。

こういう仕事柄、SANEには強いコミュニケーションスキルと生体を細かく観察できる観察力、正確に記録を残せるスキルなどが要求される。新規採用のオリエンテーションでトレーナーは言っていた。ハウスパーティーとかで仕事を聞かれて正直に答えると、思いがけない人たちが過去のつらい経験を話すのよ。それだけ被害を受けても泣き寝入りしている人が多い、ということよね。こういう制度があると知らない人も多いのよ、と。なんだか素敵なしごとだな~とますます引かれた。しかしちょうどそのころ絵里佳を妊娠していることを知り、トレーニングが終わるころはお腹の大きいSANEとなることを知った。そして同時にホスピス開設のニュースを聞き最終的には申し込まなかった。

SANEはどこの病院にもいるというわけではない。私の働いている地域は10ある病院の中で2つしかない。ないところにこの理由で訪れるとSANEのいるところに搬送される。起訴をするしないにかかわらず、自身の体と心の健康のためにも被害にあったらSANEをおとずれることをすすめたい。

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