300パウンド(約136kg)以上体重があるとベリアトリックと呼びます。肥満の多い北米。もちろん肥満学、肥満看護なるものもあるわけで。これぐらい大きくなると普通のベッドに入りきらなくなるので、ベリアトリックベッドやベリアトリックリフト, ベリアトリックストレッチャーなどなど専門の看護用具もあるのだ。天井からのリフトは600パウンドまで吊り上げれるようになっている。
で、先日久しぶりにベリアトリックの患者さんがホスピスにやってきました。PPSは10%(症状安静で口腔ケアのみでとても死に近い状態)。それなのに普通のベッドで天井リフトもない部屋!?スタッフにどうしてこんなことになったの?!と聞くと昨日までこの患者はトイレまで歩行していたとか。でもここはホスピス。ほとんどの患者さんが死に向かって一歩一歩進むところ。先を見越してケア計画を立てることが大切だ。私だったら必要な部屋や器具がそろっていなければ受け入れをしなかった。PCCが休暇中で当日のスタッフはそんなことは知らなかったと。
で、病室へ行ってみるとやっぱり、、、。ベッドに横たわる患者さん。ベッドに隙間はなくぴったりで横向きにもなれない。大きな体は反対側から手が届かないほど山のようで。
大きな病棟だったらスタッフの数も多いので4人でケアをすることができる。しかしここのホスピスは2人勤務だ。天井のリフトなしでは背中を洗うこともできない。ベリアトリックベッドはレンタル会社から配達してもらわなければならないので、お金も日にちもかかる。天井リフトがある部屋は空く予定もなく。
無理にケアをして看護師が怪我をすることも避けたい。隣の病棟に助けを求めたがあっさり断られた。こういうことは日中に上の人たちがコミュニケーションをしっかりとってもらわないと助けがもらえない。私がした決断は勤務交代の時ケアをすること。患者さんには申し訳なかったが12時間仰向けのまま、、、、、。すでに意識がないことを救いに、、、。
必要な用具や必要なケアができる環境がどうか、そういう判断力も大切な看護のひとつだ。
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