ホスピス、緩和ケア看護覚書*カナダ編

カナダでホスピス看護師をしています。2009年9月からバンクバーの某大学院 でMaster of Science in Nursing を始めました。End of Life CareのCNSになれるようにがんばります。半学生、半看護師の生活です。そして3児の母親でもあり、カナダ人の夫とは11年たっても熱愛中でごじゃいます。ブログに登場する人物名はすべて仮名です。

訪問看護

在宅点滴療法

も主な訪問の仕事です。と言っても薬の投与は患者や家族の役割で、ドレッシングチェンジやトラブルシューティング、そして患者教育が私たちの主な仕事。蜂か織炎とかじょくそうの抗生剤の治療はとても長期にわたるもの。そのためだけで病院に入院させるより、自己管理を在宅でさせる、という方針で。PICCとかMidlineで退院となる。薬剤は薬剤会社が点滴に必要な物品(点滴架台やチュービング、フラッシュに使う生食入り注射器などなど)と共に宅配へ送ってくれる。自分で自分の点滴療法の管理をする、、、て簡単じゃないものだ。

先日訪ねたのは78歳のおじいちゃん。糖尿病から静脈炎を頻回に起こすようになり、結局片足を切断。がんばってリハビリをして義足で車まで運転できるようになったのに、健足が今度は蜂か織炎へ。在宅点滴療法の対象となった方。退院以来、毎日のように訪れて患者教育をしてきた。7日目だった。3日ごとにすべてのチューブを交換しなければならない。その教育だったが、なんとも痛々しいものだった。チェックリストを読みながら、ひとつひとつ行っていくけれど、緊張や不安がひしひしと伝わってくる。焦ってラインをひっぱてみたり、PPD(キャップ)を取ろうとしたり(そんなことしたら血がドバーっと出てきます)。それは絶対とらないですよね、と看護師に言われると、”そうだ!もちろんそうだよ!”と恥ずかしさを隠しながらも平然な顔を見せていることがうかがえる。妻は盲目で手伝うことができないから、自分がしっかりしなくては、とやる気は満々なのだけれど、大丈夫なのだろうか、、、と私まで不安になる。

抗生剤の投与は一日一回、30分ぐらいで終了する。しかし薬を混ぜたり、清潔を保ちながらフラッシュを前後にして、と学ぶことは多い。せめてフラッシュだけでも自分でできるようにしなければならない。彼は前回3ヶ月間外来に点滴のために通った。車が運転できない今(健足に体重をかけてはいけない)、毎日の外来通いより、在宅で、、、との思いだ。

患者の自己管理ができればできるほど、看護師の役割は小さくなる。このケースを見学しながら、リスクとの関係をどう判断するのだろう、と思った。どうしても習得できなければ、訪問が毎日投薬のために訪れなければならない。そういうケースも多いそうだ(高齢化で仕方がないでしょう)。それでも入院するより費用は安くつくとか。医療費削減、こういうところにも現れているのね。

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オリエンテーション一週目

訪問のオリエンテーションの一週目が終わった。訪問がプライベート化されているオンタリオ州とは変わりBC州ではまだユニバーサルヘルスケアシステムの一部。だから雇い主は今までの病院系のと同じHAだ。

訪問は慢性期と急性期に分かれていて、私が配属されたのは急性期。患者は緩和、じょく創、在宅点滴の患者だ。割合は3分の1ずつ。緩和の経験が豊富ということで、普段のオリエンテーション期間4週から3週へダウン(2週とまで言われたけど、伸ばしてもらった。せっかくつけてもらえるオリエンテーション。最大限活用したいものだ)。緩和は大丈夫とただひたすら訪問でのじょく創のケアについて学ぶ。コンピュータープログラムを使用して観察記録をするので、ホスピスや病院でやっていてた時よりずっと効果的に思える。それにホスピス緩和で働いている期間が長いので、治っていくじょく創を見るのは感動さえも覚える(ホスピス緩和は悪くさせないが目標になるので)。

ポイント制で1ポイントが15分。一日の仕事の割り当ては15-20ポイント。例えばただのじょく創のガーゼ交換は3ポイント(45分)。難しいものや緩和系だと4ポイント(1時間)となる。電話相談だけだと1ポイント。緩和の電話は2ポイント。この時間には看護そのものと記録や準備の時間も含まれている。緩和はその難しさからポイントが高く設定されている。じょく創がなくても一回の訪問に最低でも4ポイント(1時間)つけられている。

朝8時に仕事場へ行き、自分の割り当てを知り、カルテをもらい、一日の計画を立てる。必要なものを車に積み込み9時半ごろにはオフィスを出る。4人から7人ぐらいの患者の家を回り、昼過ぎにオフィスに戻り、記録をして4時半に帰宅、という具合だ。

CRNとしてコンサルタントチームにいた時は、訪問の看護師さんをサポートしていたのでなんとなくは知っていたけれど、一からきっちり教わると細かいことを理解することができるので、この仕事を取ったことをうれしく思う。

オフィスは高層ビルの上階にあって眺めがとても良い。車を仕事に使うということで、高いオフィスの駐車代も完全負担だし、もちろん走行距離に相応したガソリン代も出してもらえる。車の保険の一部も負担してもらえる。鍵つきのかばんやら携帯電話、カメラやいろいろなキットも配布され、一人ひとり自分のデスクももらえる。病院系とはまったく違いゆったりした環境だ。

患者さんも”家にわざわざ来てくれる看護師さん”として暖かく迎えてくれる。一人で家を訪れる看護師の安全も細かく守られているようだし、今のところ順調といったところだ。

今週から始まった大学院の方は今回もまたもやオンラインでできるコースを取った。看護倫理と政治だ。ペーパーは3つも書かなければならないのでそれがつらくなりそう。でも内容はコアコースの割りには興味が持てそうだから、楽しめるかな?

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