ホスピス、緩和ケア看護覚書*カナダ編

カナダでホスピス看護師をしています。2009年9月からバンクバーの某大学院 でMaster of Science in Nursing を始めました。End of Life CareのCNSになれるようにがんばります。半学生、半看護師の生活です。そして3児の母親でもあり、カナダ人の夫とは11年たっても熱愛中でごじゃいます。ブログに登場する人物名はすべて仮名です。

マスター

ようやく冬休み

がやってきました。無事タームを終え、論文も提出してほっと一息(結局提出期限ギリギリで金曜日のクリスマス会には不参加、、、悲しい)。眠れぬ日々が続いて週末はまるで眠り姫のように(とそんなに美しい姿ではないけれど)何時間も眠っていました。ほっとしている間もなく1月からのタームの情報がドカーンとメールで送られて、、、せっかくのクリスマスムードがぶち切れじゃん、、、と思いながらも、やはり休みはうれしい。

で、実は悩みの種が、、、コースを変えようかと、、、。今のコースはマスターのコースで、併設でナースプラクティショナーのコースもあって、申し込みの期限が1月の下旬なのだ。ナースプラクティショナーって何?と思われる方、ぜひこの方のサイトを覗いてください。他の方へのリンクもここからいけます。最近は日本でも開始された仕事。アメリカは60年もの歴史があるけれど、カナダはまだひよっこなのだ。オンタリオ州は10年。BC州はたった5年。アメリカのように専門のナースプラクティショナーはまだなく急性期のナースプラクティショナーがオンタリオで始まったのも数年前のこと。州によって取り決めもかなりばらつきがあったり。しかし医者不足のおかげで将来がとっても明るい仕事なのだ。

で、どうして方向を変えようかと思っているかというと、、、

もともとCNSになりたくてはじめたマスター。でもCNSの人たちって臨床というより、運営やポリシー、リサーチに関わっている仕事がメインで教育はちょっとだけ。なんてたって最近の医療費削減で仕事量が増えて、とてもつらそう。みんなやつれてって印象の方が強い。その反面ナースプラクティショナーをしている人たちも大変だけど、生き生きしている!100%臨床ってところがいいな~とつくづく思うようになった。

もともとナースプラクティショナーに興味があったけれど、緩和から離れたくなかった。でもアメリカのケースをみてもわかるように、需要と供給で必ずナースプラクティショナーが緩和に必要にされる日々がやってくる、と確信するようになってきたから。歴史が浅くて医師との兼ね合いが難しく、就職も難しかったけれど、それも好転してきている。

英語が第一外国語で日本人ということを自分の欠点のように思っていた。もっと英語が上達したら、カナディアンみたいになれたら、なんて思ったことも。しかしこれを裏手にとっても自分を生かせば良い、と思うようになった。日本人のコミュニティーや移民の人たち、特にアジア系の文化を理解できる者として、そういう看護視点からナースプラクティショナーとして患者と関わっていけたら、と思うようになった。日本の医療とカナダの医療を比べて、カナダの医療を信用できなかったり、誤解する人もいるだろう。両方を知っているものとしてできることはたくさんあると思う。

でも踏み切れないものがある。

今は半学生なんて身分で仕事もしている。なんてったって家のローンもあれば家族を養うという責任もあり、無収入にはなれないからだ。しかしナースプラクティショナーのコースはフルタイムしか許されないのだ。2年間収入なしなんて、奨学金を集めたって、、授業料は出ても家のローンはどうするのだ、、、と経済的な悩み。学生ローンって手もあるけど、住宅ローンは支払ってくれない。

そして家族のこと。片道2時間かけて毎日学校なんてやれるわけない。大学構内に部屋を借りて単身赴任でもしなければやっていけないと思う。しかし絵里佳はまだ5歳だ。母親業を投げ出すわけにはいかない。旦那と話して大学の近くへ引越しをすることも考えた。しかしBrodyの高校を変えるわけにはいかない。最近はAJが我が家へ帰ってくることも言っている。AJもまだ高校生だ。二人をおいて引越しするわけにもいかない。

先日、去年クラスが一緒だった子に偶然会った。卒論を書くだけで他はすべて終わったとうれしげに話す彼女。いまだに親と一緒に住んで好きなだけ勉強して夕食のことも心配しなくて良い生活、、、自由な身って良いな~と妬みたくなった。私にとって家族はとても大切。家族を捨ててまで仕事や学業にかけるつもりはない。AJとBrodyの高校が終わってからなら、、なんて考えることも。でもそんな理由で休学することはできない。もう初めてしまったマスター突き進むか辞めるしかないのだ。もっと自由な身になってからナースプラクティショナーを改めて申し込むことだってできる。でも自分の年齢だって考えなくてはならない、、、。今でさえ頭カチコチなのに。

あーあ、どうしようかな~

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口頭弁論

失礼しました。すっかり忘れてFireFoxを使ってしまい、Exploreユーザーの方の閲覧が不可能でしたね。再掲です。


博士課程の生徒が口頭弁論をするというので、見に行ってみました。こういうお知らせは頻回にくるのだが、一度も行ったことがなかった。昨年は学校と仕事と家庭でアップアップの状態で余裕がまったくなかったので、エキストラなことをする気にはなれなかった。で、今回の学生さんがん患者の治験にまつわる自主的な参加性を倫理的な側面から研究するということで興味深かった。学校に行くのは久しぶり。今期はオンラインのコースを取っているので大学へ通う必要がないからだ。

渋滞でイライラするより、ゆったりバスに乗って読書でもしようと早くから出かける。雨降りだったのに太陽まで出てきて、紅葉した木々がとても美しい。早く着きそうだから、ダウンタウンに住む義理の弟でも誘ってランチへ行くことにした。おしゃべりとおいしいインド料理を楽しみ時計を見てギョ!遅刻だ。あわててバスに飛び乗り大学についてからは猛ダッシュ。もちろん遅刻。行ったことのないビルディングで行われているため、入り口さえもわからない。ようやくたどり着いて潜り込む。パネラーの教授が3人。聴講者が一人と寂しいもの。この学生さんの緊張感がひしひしと伝わった。質問が始まった。かなりの辛口評で、どこまでも突き詰めていくのね~としみじみ。しかし臨床とは違いもっと大きな視野で現象を見詰めている奥行きさがあった。それにあんなに嫌っていたリサーチの授業。そのおかげで討論の内容が理解できる。できはいまひとつだったけれど、学びはあったのだ、とちょっとうれしくなった。

もう一人の聴講者は博士課程に入ったばかりの学生さん。メモ帳はほぼ白紙状態。きっと興味のない分野なのだろうな、と思った。で、急に振られて自己紹介と質問は?ってマスターの学生でこれが初めてです。質問はありません、と本当は質問があったのだけれど、最初から聞いていなかったので控えてしまった。勇気のない私。自己嫌悪。しかし教授の一人にマスターのうちから来てくれるなんてうれしいわ。参考になったかしら、とやさしい一言。いつかこういうアカデミアの一員になれるのかね~なんて夢みたいなことを思ってしまった(臨床が好きなくせに)。3人の教授と学生といっても討論は白熱で、とても面白かった。ナショナル、インターナショナルなレベルで看護事象を討論するんなて、とてもハイレベルな世界に身を置いている気がした。

遠いところへ来たもんだとも思った。日本で大学院へ行っていたら、また一違いするだろう。こちらで看護師になって、臨床で働いているだけだったら、こんな大きな世界を知ることはなかっただろう。新しいホスピスでオープニングスピーチを引き受けたことから、認められるようになって、昇進、そして進学にまでいたった。日本人として、英語が苦手なものとしてどこまでいけるのだろう、と不安に始めた昨年。そして今。どんどん世界が広がっていることをしみじみ思ったのだ。

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帰りに、大学の構内で

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